2013/ 7/16 | 第三章の第四節の序項を掲載 |
次の岩戸閉めは天照大神の時ぞ
大神はまだ岩戸の中にましますのぞ
騙した岩戸からは騙した神がお出ましぞと知らせてあろう
いよいよとなってマコトの天照大神 天照皇大神 日の大神 揃ふてお出まし近うなって来たぞ
『碧玉の巻』 第十帖
第三章 日本 | |||
3-4 | 天照大神の岩戸隠れ | 2013/ 7/16 |
2013/ 7/16 | 第三章の第四節の序項を掲載 |
日月神示の説く“五度の岩戸閉め”の内、一度目の岩戸閉めである伊邪那岐神と伊邪那美神の別離の次に閉じられたのが、“二度目の岩戸閉め”である【天照大神の岩戸隠れ】です。
八百万の神々の最高神であり太陽神でもある天照大神の“天の岩戸隠れ”は、伊邪那岐神と伊邪那美神の“国生み”や素盞鳴神の“八岐大蛇退治”と共に極めて有名な神話であり、天界の危機と打破や神々の総動員という物語性と相まって、必ずと言って良いほど記紀神話の名場面の一つに挙げられます。
ちなみに、この物語に登場する“天の岩戸”が大本系統で使われる「岩戸」の直接的な語源になっており、日月神示の場合は夫婦神の物語の“千引岩”も語源に含めて良いでしょう。
そして、大本系統の神示では天照大神の岩戸隠れに対して非常に特殊な説が展開されているので、本節では“岩戸隠れの霊的な意味”を中心に論じます。同時に、
「岩戸とは何か?」
という点についても少しだけ考えてみます。
なお、“岩戸隠れに到るまでの物語”も本節で触れることになりますが、そのことに関する簡単な注意点も記しておきます。
日月神示の創世神話は厳密には夫婦神が別離した千引岩の場面で終わっていますが、“準創世神話”と呼んでも差し支えのない記述は少しだけありますので、本節でも千引岩と天の岩戸の間を繋ぐ物語の一つとして解説します。
また、日月神示の神話論の大半は伊邪那岐神と伊邪那美神の関係に集中しており、他の神話は断片的にしか言及されていません。そのため、本節では断片的な部分への纏まった言及がある『伊都能売神諭』を引用して、岩戸隠れまでの物語を補完する場合が多くなります。
ただ、記紀や日月神示の内容と伊都能売神諭の内容は完全に同じではなく、伊都能売神諭も『大本神諭』や『霊界物語』とは違っている部分が少なくないので、その点には御注意ください。