これまでに出版された日月神示の著作権について簡単に説明します。そこから『対訳 日月神示』の制作に使用できる底本が決まります。
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◎ | 岡本天明の著作権(草稿/第一稿) | 2014年まで |
○ | 〃 (清書/第一仮訳) | 〃 |
? | 岡本天明の共著者の著作権? | 2040年まで? |
× | 岡本三典の著作権 | 2060年まで |
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◎ | 【原文U】 ひつく神書研究資料 | 昭和23〜27年 |
○ | 神示 (黒表紙本) | 昭和26年 |
○ | 神示 (赤表紙本) | 昭和27年 |
○ | 【基本訳】 | 昭和28年 |
? | 日月神示 第一訳 | 昭和29年 |
◎ | 地震の巻 | 昭和30年 |
○ | 地震の巻 | 昭和31年 |
◎ | 月日霊示 | 〃 |
△ | 【原文W】 | 昭和35年 |
◎ | 【原文X】 五十黙示録 | 昭和37年 |
× | 日月地聖典(下篇) | 昭和38年 |
× | 原典日月神示 | 昭和51年 |
× | 【第二仮訳】 | 昭和51〜54年 |
× | 一二三 | 平成3年 |
× | 改訂版 ひふみ神示 | 〃 |
× | 新版 ひふみ神示 | 平成13年 |
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基本的には著作権が切れた“岡本天明の著作”を底本にするしかないのですが、注意が必要な資料が幾つか有ります。
『日月地聖典(下篇)』は岡本天明氏が存命中から出版の準備が進められていましたが、その最中に天明氏が死去したので、岡本三典さんの名義で出版されました。系統的には第一仮訳(天明訳)に分類されると言えますが、著作権が三典さんにあるので底本としては使用できません。
『原典日月神示』や昭和五十年代に出版された第二仮訳(三典訳)も、三典さんの著作権が切れていないので底本にできません。第二仮訳の紙面を複写して出版した『一二三』、『改訂版 ひふみ神示』、『新版 ひふみ神示』も同様です。
少し複雑なのは昭和二十九年に出版された『日月神示 第一訳』です。これは全文ひらがな訳の基本訳を基に漢字かな混じり文として制作され、以降の日月神示の大半の底本になりました。通常は「第一仮訳」や「天明訳」と言えばこの本を指します。
ただ、この本の奥付では校閲が岡本天明、訳者が菅原信雄と林松治になっており、“三人の共著”の扱いになる可能性が否定できません。そのこともあってか、林松治氏が主宰した天地の会は、昭和四十七年に日月神示を独自に出版しています。これは孔版だった昭和二十九年の『日月神示 第一訳』を活版にしたものです。
林松治氏が亡くなったのは平成元年なので、昭和二十九年の『日月神示 第一訳』への著作権を持つとすれば、切れるのは2040年になります。ただし、菅原信雄氏の没年によっては更に伸びることも考えられます。このように不明瞭な点が多いので、現時点では昭和二十九年の『日月神示 第一訳』を底本として使用することはできません。とは言え“最も純粋な天明訳”である基本訳が使えるので、制作上の不都合は特にありません。
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以上の内容から、対訳形式の日月神示を制作して無料で配布したい場合は、“共著ではない岡本天明の著作”を底本にする必要があります。これは上で列挙した◎印と○印の資料が該当します。
×印の資料は著作権が切れていないので、底本として使用できないものです。△印の資料は『ひつく神書研究資料』の内容を書き写したものであり、基本的に底本として使用する必要はありません。○印の資料は◎印の資料の不備を訂正した箇所があるので、その部分は補訂の底本にします。
原書を除けば◎印の資料の精度が最も高く、○印の資料の一部も参考になり、尚且つ著作権の問題も発生しないので、これらの資料を底本として『対訳 日月神示』を制作します。